「ルビー・スパークス」

「リトル・ミス・サンシャイン」っぽい映画を期待して観て、確かに、そんな感じなんですけど、この理想の女の子を作り出すっていう発想が嫌で、もちろんそうした考え方を否定的に語っているわけなんですが、特に終わりのほうの主人公のダメなところを示して観客に嫌悪感を抱かせるシーンが露骨に見えすぎて嫌でした。

主人公の2人に無名な役者を使ってかっこ良くもかわいくもないので、不思議に思ってましたが、ルビー役の女優は、脚本も書いてて、しかもあのエリア・カザン監督の孫だったのですね。男の子は私生活でもそのパートナーだとかで、観た後でここらへんのことを知り、感じていた違和感の理由について納得しました。

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「ホビット」

ロード・オブ・ザ・リングのシリーズはどれも3時間近くあって、敬遠しがちで、この映画もあまり期待せずに観たんですけど、ストーリーが単純なせいかロード・オブ・ザ・リングほど長さを感じず、おもしろかったです。

独特の美術と特撮にますます磨きがかかっていてよいと思います。

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「ムーンライズキングダム」

二ヶ月前に観たウェス・アンダーソンの新作です。

今回はあの雰囲気はそのままですが、笑いの部分は少なくなってます。ビル・マーレイは出てますが、アンジェリカ・ヒューストンも出てなくて、ジェイソン・シュワルツマンも登場シーンは少なくなってます。ビル・マーレイに笑いが何もないのは少し残念でしたが。
おそらく、彼にしてはストレートに作っているのは、純粋に子どもが主人公で子どもの視点から描こうとしているからでしょうか。美術の凝り方なんかは、前作「ダージリン急行」と同じくすばらしいです。
浜辺のシーンとか変な既視感があったんですが、この映画の予告編ですね。

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「汚れた心」

これ、映画館で予告編をみて、この映画の元になったブラジル移民の「実話」のことが気になって借りました。

観た後で調べてみると、本当に「勝ち組」と「負け組」というものが存在していたのですね。
映画に関して言うと、製作者としても名を連ねている奥田瑛二が怖かったですん。さすがですね。(特にお経を読むシーンなんか)
常磐貴子は以前の「赤い月」とか異国での悲劇の妻のような役がよく合いますね。

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「外事警察」

これはもともとNHKのBSでやってたピカレスクの刑事ドラマの映画化らしいですけど、朝鮮問題がからんだストーリー設定があまりに突拍子もないということは置いておいても、ちょっときざなだけで、かっこよくない渡部篤郎の演技のほうが致命的で少し目にあまりますね。作者が描きたかった本当の「ワル」さとニヒルさが演じきれてないというか。

真木ようこと尾野真千子はよかったと思います。

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「トータルリコール」

これ、あまり期待してなかったので意外におもしろかったです。

特に、冒頭の部分なんかは昔の「ブレードランナー」みたいなディック的世界が描かれていてよかったです。
地殻を通ってオーストラリアとイギリスを直結する乗り物とか、あまりに現実的でない設定には目をつむるとして、特撮、CGの部分は前作よりもよかったと思います。
ただ、残念なのは主役にコリン・ファレルを持ってきたところで、ちょっとかっこよさに欠けました。ケイト・ベッキンセールの元妻役は怖くてよかったですけど。

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「HICK ルリ 13歳の旅」

クロエ・グレース・モレッツ主演のロードムービーなんですが、原作は有名な小説らしいです。最初は普通の話で途中からは常識的なところから逸脱して、話の展開が読めなくなるので、普通のハリウッド映画みたいな感じでは全然なくて、どこかのコピーにあったような「スタンドバイミー」の少女版みたいな物を期待してみると残念なことになります。

映画の中でジュリエットルイスを久しぶりにみたんですけど、時の流れを感じました。

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「おおかみこどもの雨と雪」

これ、もちろん子どものためのファンタジーなんですけど、いろんな観客から共感を得ようとするためなのかわかりませんが、環境問題とか子育ての問題とか、そうした

いろんな社会問題をシナリオに織り込んで行こうとする中途半端な思想性が見えるところがちょっとダメでした。
雨と雪の出生の話なんかはファンタジーとしてぼかしておけばいいのに、ストーリーの整合性を取ろうとしているためなのか、逆に子どもにはリアルな内容が、大人にも見る側に抵抗感を抱かせるような感じでまったく逆効果なので、もう少しファンタジーに徹したほうがよいのではないかと思いました。

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「プロメテウス」

これ、スターウォーズの「エピソード*」がオリジナルのシリーズに対してそうであったように、やはり30年後の「エイリアン」は特撮技術などの進歩で以前できなかった表現などができるようになっているので、時間や空間など物語の設定におけるスケールも大きくなった上に、アクションなども激しくなっているので、商用映画としての価値は上がっているものの、通しで見るのはちょっと疲れたなという感想は少しあります。まあ、たぶん今後、そのつなぎの部分となる「エピソード2」は出てきそうな感じなので、期待します。

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「岳」

最近になってようやく、オリジナル脚本の映画と、漫画原作の映画、小説が原作の映画のストーリーの違いにおける傾向みたなものがわかるようになってきて、この映画は漫画原作映画の典型で、その特徴の一つは筋が単純で次の台詞が読めること。

その上で、「いい人」役の小栗旬がいつもの調子で演技しているということで、最後まで観るのが辛かったです。
要するに、小栗と長澤まさみファンのための昔ながらのアイドル映画でした。

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「紙風船」

以前「ラッシュライフ」という東京芸大の学生が作って一般公開されたオムニバスの商用映画のDVDを観ましたが、これも同じシリーズの映画で、今度は岸田國士の原作をベースに現代を舞台して脚本を書いたものらしい。

ゴダールになったつもりの自意識過剰な学生映画は嫌いなんだけど、そうしたフリースタイルなものと違って、こういう制約が課せられた上で、基本を抑えて自分のスタイルで映画を作っていくというタイプの映画は許せます。おそらく光石研とか水橋研二とかプロの役者が絡んでいることで、そこらへんの青臭い作家性が抑えられるという効果も少なからずあるんだと思います。
ただ、少しだけそうした自意識が見えてしまっているようなストーリーもあったけど、許容範囲というか。

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「モールス」

クロエ・グレース・モレッツ主演のホラーで結構評判よかったんでみたんですけど、サイコホラーなのかと思ってみたら、バリバリ血が飛び散る系のホラーだったのですね。もともとスウェーデンに同じ原作の映画が先にあって、それのリメイクらしいですが、舞台となっている南部のニューメキシコってのが独特の怖い雰囲気を出してますね。

よくできていると思いますが、2度はこの手の映画はいいかなという感じです。

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「僕たちは世界を変えることができない。」

「世界を変えたい」という思いを胸に海外ボランティアに時間とお金を使う大学生って多いのだろうなと思うんですけど、いきなりそうした学生の自意識をへし折るようなタイトルで、「現実は厳しいんだよ」という教訓を教えるような映画なんだろうなと思ってみましたが、やっぱりそういう映画でした。

ポルポト政権時代の話など、歴史に関する話も出てきて、実際に家族が犠牲になった日本語が話せる観光ガイドの男性が出てくるなど、一部ドキュメンタリー的な話になったりなど狙っているところはわかるものの、正直出来は稚拙な感じなんですけど、向井理とか窪田正孝とか若いイケメン俳優の半分素顔のリアクションも見られるので、そういうものとしてみればおもしろい映画と思います。

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「ツレがうつになりまして」

これ仕事の関係で原作2冊を先に読んだんですけど、もともとノンフィクションでその題材がメンタルヘルスである上に、漫画のあの雰囲気を出すのが難しいので、どうやって映画にするんだろうと思ってみましたが、いつでも笑っているように見えてしまう堺雅人が意外に無難に役をこなしてました。

「うつ」という病気の一般への認知度を高めるという点では原作同様、存在意義がある映画と思います。

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「ワイルド7」

瑛太がヘルメット被らずに公道を二人乗りして白バイに追いかけられるというシーンがあってどうやって撮影したんだろうと思ってたらよく見てみると特撮でした。今は技術も進歩してるので、自分のように鈍感だと普通に気がつかない。
ただ、これまでは邦画で、どんなにカッコつけて悪い奴もバイクに乗る時はちゃんとヘルメット付けて走っていてそれも変な感じがしてたので、それなら多少おかしくても特撮ノーヘルのほうがマシかも。テレビの「探偵物語」とかも、今みると松田優作はベスパでヘルメット付けてないのが意外な感じするけどあの頃はほんとにまだセーフだったんですよね。
「ワイルド7」は結局どうでもいい映画だったけど、天気のいい日に海岸沿いの橋の上を走っているシーンとか見ると自分も会社休んで出かけたくなりました。

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「I GOTTA NEW DANCE!」

Vampisoulっていうレーベルから出ている、Joe Bataan ではじまり、Fania All-Starsで終わラテンのコンピなんですけどそれ以外のもJBフォロワーとかいろいろいて結構トータルにいい感じです。
ちなみに、タワレコだと、「出てるうちに入手しとけ」みたいなことが書いて貼ってありました。ほんとかうそかは知りませんが。

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「Something about April」- Adrian Younge

昔、テリージョンソン氏が紹介し盛り上げてた「甘茶ソウル」を今アメリカでやってるのがAdrian Youngeらしく、Wax Poetics レーベルから出てるのがこのアルバムです。この前のアルバムはデルフォニックスだったようですが、(未聴)このジャケットもムーディーな感じですね。

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「Moving World」- Kelenkey Band

これちょっと前にタワーレコードで見つけた70年代のガーナのファンクバンドらしいんですけど、ものすごくかっこいいです。 がに股ポーズのレイバンの男とかダチョウの顔した植物のイラストとか、結構B級感いっぱいですけど。 もともとはかなり高額で取引されていたものが最近再発されたらしいですね。

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「ドラゴンタトゥーの女」

これ暴力描写とかひどい映画だったんだけど、昔のジュリエットビノシュが眉そってピアスしたようなパンクなルーニー・マーラのルックスと彼女が乗る昔のホンダCB350のカフェレーサースタイルのカスタムバイクがかっこよかったです。

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「GIRL」

この映画、麻生久美子で目当てで借りたけど意外におもしろかったです。あくま

でもデフォルメされた漫画的な展開だけど、これは許します。(笑)「土俵の

上で仕事してろ!」はスカっとした。映画史に残る名言では。去年

の「宇宙兄弟」とか、「モテキ」もそうだけど、30代女のこうい

う役で新たな彼女の地位を確立しつつあるな。子ども生む直前にこ

ういういい仕事してたとは、映画の中の彼女の役みたいでかっこい

い。

ストーリーとか主役の香里奈のこととか感想に、まったく書いてないですけどこの映画はただただ30代を演じきれる麻生久美子にしびれる1本。

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「ヘルタースケルター」

この背徳的な映画を、上の子が友達と「フライト」(

PG12指定の映画は今年12歳になる小学生は観ていいと友達が

言ってたというが本当なのか?。。)妻と下の子が「オズ」を見に

行っている日曜の午後に、家で窓閉め切って一人で観たんですけど、不健康な行為だった。。正直、観た自分に後悔しました。

蜷川実花さんはすごい芸術家と思うんですけど、この映画はただただ、スキャンダラスなだけで騒がれるほどの映画ではないという感想です。
崎京子の原作で途中、戸川純の「虫の女」(バッフェルベルのカノンをオケに淡々と歌うやつ)が流れたりするところとかは、サブカル同世代を感じたけど。

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「愛と誠」

これ、何の前情報もなく、昭和歌謡のミュージカルということを知らずに最近DVDで観たんですけど、ツボでした。
これ特撮がうまいのかどうかわからないんですけど、妻夫木など主役のアクションシーンなどもちゃんと迫力あるように撮れてて、小ネタもそれなりに笑えます。
音楽の小林武史って嫌いなんだけど、自分の映画でも使ってたこう

いうレトロな昭和歌謡のアレンジは得意っぽくて、あと、今は音痴

な役者でもコンピュータでメリハリとエコー聞かせていい感じにミ

ュージカル歌えてます。

特に、武井咲と安藤サクラがおもしろくて、武井は天然キャラをそう見せるのって難しいと思うんですが、その演出に成功していて、安藤は安藤で彼女に期待されているわざとらしい演技をちゃんと100%期待に答えています。
踊りの振り付けは、一目見てパパイヤ鈴木ってわかるのが結構笑えます。特にミュージカルを本業とする市村正親が真剣におやじダンサーズ的な踊りを見せるところなんて笑えます。
ただ、今日仕事中、頭の中で「あの素晴らしい愛をもう一度」と秀樹の「やめろっといわれても。』(曲名知りません)がリピートされてて困りました。

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「舟を編む」

石井監督の映画なんで、前の3作同様に、またあの学生映画的な「わかる人にしかわからないでしょ」的ニュアンスの世界を心配してたんですが、原作のしばりがあって脚本も自分では書いてなくため、作家性をダメなストーリーテリングの部分に出してないので、映像の部分だけに自己主張が出てて、そこはよかったです。これ、予告編だけ見ると松田龍平と宮﨑あおいの青春恋愛映画みたいなんで期待してなくて、特に、宮﨑の猫抱いて登場するシーンのその相変らずな演技みて劇場で見ようかどうか悩んだんですけど、実は、実は予告編の漫画っぽい恋愛話はただの客寄せの宣伝で半分以上は予告編にはほんの少ししか出てない「その後」の話で、特にその後半がよかったです。オダギリだけが「時効警察」のノリのアドリブで一人浮いてますが、それも許せてしまうほど龍平が熱演してます。

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「横道世之介」

会社帰りに見るのは少々長いんですけど、よかったです。原作者の吉田修一は昭和43年生まれなんで、自分の大学時代の頃のファッションやサブカルチャーなどの細部が時代よく描かれていて懐かしい感じです。特に今みると違和感がありありな女の子の髪型とか、男のポロシャツの着こなしとかが。映画の舞台も吉田氏の母校、法政大学ですね。会社帰りに見るのは少々長いんですけど、よかったです。原作者の吉田修一は昭和43年生まれなんで、自分の大学時代の頃のファッションやサブカルチャーなどの細部が時代よく描かれていて懐かしい感じです。特に今みると違和感がありありな女の子の髪型とか、男のポロシャツの着こなしとかが。映画の舞台も吉田氏の母校、法政大学ですね。
いきなり、上京してきて何もない畳の部屋に持ってきた荷物を投げ出してというところなどは、自分の当時の記憶と重なりました。原作も映画の後で読んだのですが、これは大学生活の最初の1年だけを描いた話なんだけれど、自分もいろんな友達のいた大学の一年が一番楽しかったなあと今、これみて思いました。
あまり強い権限で演技を付けられないタイプの監督なのか吉高由里子がなんか相変らずな感じですけど、他がうまくやっているので映画を壊すまでには至ってません。
柄本佑と綾野剛の友達役のサブキャストがとても味出してます。
結構重要なプロットで原作との違いがあります。
いきなり、上京してきて何もない畳の部屋に持ってきた荷物を投げ出してというところなどは、自分の当時の記憶と重なりました。原作も映画の後で読んだのですが、これは大学生活の最初の1年だけを描いた話なんだけれど、自分もいろんな友達のいた大学の一年が一番楽しかったなあと今、これみて思いました。
あまり強い権限で演技を付けられないタイプの監督なのか吉高由里子がなんか相変らずな感じですけど、他がうまくやっているので映画を壊すまでには至ってません。
柄本佑と綾野剛の友達役のサブキャストがとても味出してます。
結構重要なプロットで原作との違いがあります。

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「千年の愉楽」

先月新宿で観ました。

中上健次原作で高良健吾に高岡蒼甫と話題性のある役者を起用しての若松監督の遺作でしたが、なんといっても寺島しのぶの演技がまた、鬼気迫るものがありました。
路地のある高台から湾を見下ろした尾鷲湾が絶景で、本当にタイムスリップしたような感じでした。細かいところを見ると時代描写が部分的に明治だったり昭和初期だったりと整合性が取れてないようにも見えますが、それはよしとしましょう。

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「In Harmony - Weldon Irvine」

先日タワレコで試聴して、その後、店頭からなくなってました。こういうのは買っとかないと廃盤になったらいけないと思い、(逆に5枚セットで1500円になる可能性もあるわけだが。。)アマゾンで購入。 ちなみに、20年くらい前に買った「Music Is the Key」のCDは中古で4000円くらいしてたりする。 どちらかというとジャズ色が強い感じです。

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「恋とニュースのつくり方」

レイチェル・マクアダムス主演のラブコメです。予告編での、ハリソン・フォードとダイアン・キートンの掛け合いがおもしろくて観ました。ハリソンフォードは頑固なキャスター、ダイアンキートンも歳は取りましたが、気の強いキャスター役で基本的に昔と変わってないですね。いろいろなアメリカのニュースキャスターがカメオ出演しているらしいですが、そこらへんの意外性のおもしろさは日本人には残念ながらわかりませんね。

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「ミッドナイト・イン・パリ」

最近のウディ・アレンの映画は好きで、新しいものほど好きなのは、おそらく彼の脚本は好きだけれど役者としての彼は好きではなかったということが一番大きいのかなと思っていて、今回は、主人公でおそらく70年代の彼の映画では彼自身が演じていたであろう役をオーウェン・ウィルソンが演じているのですが、よく見ると表情から両手を広げるしぐさなど、アレンそっくりの演技でした。

この映画、パリが舞台ということ以外の前知識はなにもなしに観たのですが、ストーリーは懐古趣味の主人公が憧れの30-40年代にタイムスリップするというもので、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、マン-レイ、ブニュエルなどそっくりさん役者が演じていて笑えます。基本的に有名でない役者が演じているのですが、キャシー・ベイツのガートルードスタインと、エイドリアン・ブロディのダリは笑えます。
最近のアレンの映画は、キャストも豪華ですが、現代のフィアンセ役やレイチェル・マクアダムス、タイムスリップした40年代の相手がマリオン・コティヤールです。特に、皮肉っぽく馬鹿娘的に描かれるマクアダムスは今後も彼の映画で観てみたいですね。
ウィルソンがアレン自身を演じていると書きましたが、実際、後半の役中のウィルソンの科白からも、ノスタルジックでペダンティックな監督自身を自虐的に嘲笑の対象にしているかのようなところも見えるので、そういう意味でも、彼自身も歳をとって変わってきているんでしょうか。

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「別離」

最近は、日本のもの以外のアジア映画はほとんどみなくなっていまっているんですが、この映画は予告編がおもしろそうだったので久しぶりに観たイラン映画です。

冒頭の夫婦間の離婚による家族の別離の話から、老人介護の問題にイスラム教国独自の宗教問題が絡み、さらにそれに法廷劇的な要素が加わるというテーマが複合した映画で、脚本も複雑なんですが、言葉はわからないけれど、そうした映画にありがちな観てて疲れる感じもなく、どんどん話に引き込まれて行くようなよくできた脚本でした。

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「アメイジング・スパイダーマン」

トビー・マグワイアの3部作は、まずキルスティン・ダンストが好きなのと、ヒーローらしくないトビーの不思議な違和感もまたいいと思っていたので、終わってしまいさびしい気持ちがありましたが、アンドリュー・ガーフィールド主演のこの新しいシリーズは、彼の素材と、2010年的な設定を取り入れ、それなりに独自のおもしろい映画になってました。特撮はわざとコミック的な色合いを出したいのか、わざと不連続にぐにょーんとのびる感じのものなので好き嫌いはあるかもしれません。同じ時に宅配レンタルされたマーチン・シーンがお父さん役で出ていたのは偶然でした。お母さん役もサリー・フィールドで、彼女も久しぶりに観ました。

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「星の旅人たち」

エミリオ・エステベスが監督している映画で、主人公の息子役として出演もしているのですが、しばらく見ないうちに、彼はすっかりマーチン・シーンに似てきましたね。スペインの世界遺産サンティアゴへの聖地巡礼の映画なので観光映画としてもおもしろい映画になっていますが、それよりも、自分にとってはエミリオがマーチンシーンを主役に使ってこういう父子のストーリーを撮るというところに興味があって、その点においては期待したとおりでした。自分にはサンティアゴは無理ですが、これ観て、四国にでもピルグリムに行きたくなりました。

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「おとなのけんか」

これ、こどものけんかで歯を折られた加害者と被害者の親がけんかするという映画なんですが、おもしろかったです。
元々舞台劇だったものを映画化した室内劇のため映像主体の普通の映画より会話が多く、内容も皮肉が多くウィットに富んでいるので、英語の勉強にいいと思います。
ジョディ・フォスターは顔のしわは増えたけど、歳をとっても基本あまり変わってないですね。

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「人生の特等席」

大多数の観客がこうなって欲しいという展開を常に裏切る後味の悪さとか、普通の監督では避けるような人種差別的な会話とかいつものイーストウッドらしさがないので、おかしいなと思いながらも人間歳をとると丸くなるのだろうとか思いながら観ていて、最後の変で、これは絶対おかしいと思ってエンドロールの監督の名前をみたところで、監督が違うということに気がつきました。
ただ、監督は違っても、撮影監督のトム・スターンや衣装デザイナーなどイーストウッド組の映画であることは確かなので、気がつかなかったのはそのせいですね。
逆に考えると、ストーリー展開はチープでも、自分自身で編集していたら絶対に観られない部分、他者が客観的に観たくて、自分では撮れない役者イーストウッドの演技が観られるというところは少なからずあった気がします。モーテルでのエイミー・アダムス演じる娘のとの会話のシーンにおける佇まいなどがすごくいいですし。(ただし、若い時の回想シーンに、「ダーティーハリー」の合成を使うのはちょっと悪ノリがすぎますが。。)
ただ、「人生の特等席」という邦題は、クライマックスのシーンにおける会話に出てくる「Cheap Seat」に対する「Best Seat」というところからきてるんですが、安直な解釈による一方的な邦題の付け方は傲慢だと思います。
いろいろ書きましたが、好きなアメリカ映画です。

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「ポテチ」

伊坂原作、中村義洋監督の新作です。音楽、主題歌は、また、斉藤和義、浜田岳が主演ということで、いつものあの感じですが、ただこのショートストーリーで時間も68分しかないので、他の映画にあるストーリーの破天荒さはなくて普通の人情ものなので、少し期待はずれでした。ただ、斉藤和義の歌はなんとなく、ゴールデンスランバーの時と同じでituneで買ってしまうのですよね。あと、常連の役者が使われてますが、大森南朋の使われ方がよいです。ゴールデンスランバーの時の長島敏行の謎の殺し屋みたいで。

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「アルゴ」

当時、大

使館事件のことはうっすらとしか記憶してないんだけど、あの70年代後半のカーター民主党政権時代

の色がよく出ていてよかったです。ベン・アフレックは先日DVDで観た「カンパニ

ーメン」とは一転し、今回は寡黙なスパイの役ですが、台詞が少なくて

難しい役を監督までしながらうまく演じてたと思います。ハンドカ

メラの映像で、自分が実際異国でデモの群衆に取り囲まれているよ

うでハラハラします。

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「アザーガイズ ー俺たち踊るハイパー刑事!」

ジム・キャリーのテンションには、どうしてもついていけないのけど、「俺たち」シリーズ(監督は違うんですが日本の邦題で勝手に「俺たち」を付けているだけですが。。)や「マーシャル博士の恐竜ランド」などのウィル・フェレルのコメディは適度のパロディと子ども受けもする体をはったしょうもないギャグと下ネタが、ドリフ世代にの私にも肌に合うというか、大好きです。いろいろ調べてみると、彼は自分と同じ歳なんですね。マーク・ウォルバーグもかなりいい味だしてます。トヨタのプリウスがしつこくネタにされてるのも笑えます。

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「96時間」

リュック・ベッソン製作でリーアム・ニーソン主演のこの映画、噂ではおもしろいと聞いてましたが、ほんとにおもしろかったです。どういうおもしろかといういうと、ある種、ターミネーターとか昔のシュワルツネッガー映画に近い、とにかくとことんやって、ちょっとやりすぎてしまい、その突破力とスピード感が笑いになってしまうという感じです。ストーリーは、ただ、単に、娘を取り戻したい父が暴走するというだけの話なんですけど。

この映画、続編が出るということで、次はおそらく確信犯でさらにパワーアップでゴリ押しでしょうか。期待します。

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「カンパニー・メン」

DVDのトレーターでふと見つけたこの映画、ベン・アフレック主演の中高年のリストラに関する話なんだけど、意外によかったです。話の展開は普通で先が読めてしまうんですけど、脚本の細部と演技がいいので最後まで見られます。特に最後のほうのケビン・コスナーとのシーンがよかった。金融危機以降のアメリカンドリームというのかなんなのか。仕事に疲れた人におすすめ。

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「危険なメソッド」

クローネンバーグ監督でユングとフロイトの実話に基づいた舞台劇を映画化、前作同様ヴィゴ・モーテンセンとヴァンサン・カッセルが出演ということで自分的には今年一番の期待作だったんだけれど、暴走するヴィゴの狂気とか、いつものぐにょーんとした特撮とかは一切なかったです。ただ監督特有の変態性を排して映画の文法に忠実にシンプルに撮っているので、いつもは個性に隠されている彼の映画特有のかなしみのようなものがよく出た人間ドラマでした。あと、この役ができるキーラ・ナイトレイはすごいと思います。最初の辺りの演技はかなりきてましたね。
プロデューサはジェレミー・トーマスですね。まあ、彼らしい企画というか。

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「ゴーストライター」

これ、おもしろかったです。映画館で観なかったのが悔やまれます。
ポランスキーの映画ではヨーロッパを舞台にしたハリソン・フォード主演の「フランティック」が一番好きなんだけど、それに似た感じの巻き込まれ型のサスペンスです。主演のユアン・マクレガーは久しぶりにみましたが、こういう役をやらせると意外にいいことを発見しました。

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「僕達急行 - A列車で行こう」

森田監督の遺作です。
森田監督といえば、過剰演出で昔はその間がいろいろチヤホヤされていたけど晩年はそのうちわノリのあざとさが受けなくなって過去の人みたいにしか扱われていなかったですが、この映画はその過剰な内輪ノリ演出はそのままではあるものの、開き直ったかのような感じで、ギャグは効果音付きでわざとらしさが全開、普通にわかりやすく、おそらく監督自身の趣味でもあると思われる鉄道の趣味の世界に入り込んでしまっていて、おもしろかったです。笹野高史とか松坂慶子ら三木監督的な脇役のキャストもよかったかもしれません。

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「アーティスト」

アカデミー賞関連で話題をさらったこの映画、最近になってDVDで観ました。
最初のほうは、サイレントってこんなに観るの疲れるのかという感じで、モノクロ、サイレントという奇をてらった趣向だけで1時間半もたせるのかと思いましたが、構図とかも忠実に当時の様式を再現しようとしているのが見えて、その中でも表現に自己主張が見られるので最後まで見られました。最後のダンスがうまいのと、息きらしてるとこなんかいいと思いました。

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「レイチェルの結婚」

この前の「パッセンジャー」があんな映画だったので、違うものを観てやろうと思い観たのが、この「レイチェルの結婚」です。アン・ハサウェイ今度は薬物依存症の役でした。監督はジョナサン・デミですが、自分が思っていた彼の映画とはまったく違った感じの、ある種ロバート・アルトマン的な家族劇で、神経症の女性、家族の崩壊と再生っていうところではジョン・カサヴェテスの「こわれゆく女」を思わせるようなところもあって、(というか絶対意識してるはず)意外によかったです。あと、デブラ・ウィンガーは細々と女優業に復帰してたのですね。(引退後、ロザンナ・アークエットに探されてたりしてましたけど。。)

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「ハラがコレなんで」

私には、「川の底からこんにちは」がぜんぜんダメで、この前みた「あぜ道のダンディ」もキャストに救われているもののイマイチな感じだったので、あまり期待してなかったんだけど、これはそこそこおもしろかった。

とにかくこの石井監督、原作なしで自分で書いたオリジナル脚本でいくという今時珍しい人として理解し、尊重してはいるものの、ちょっとニヒルな青臭い思想性が見え隠れするところと、昔の森田芳光の映画みたいに「わかる人にはわかる」的な「ニュアンス」で笑わせようとする感じが見えるところがちょっと時代遅れな感じで嫌だったのですが、もともと演技がダメな満島ひかりだとダメな台詞も、天性のぶっきらぼう系コメディエンヌの仲里依紗の「粋だね」と「オウケィ」のツーフレーズのゴリ押しで、その思想性が隠れていたところがよかったのかもしれません。

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「ロンドン・ブルバード」

これ、ロンドンが舞台のクライムサスペンスなんですけど、同じようなコックニー訛り、えげつない暴力シーンのあるガイ・リッチーの映画と比べると笑いとか遊び心がなくてひたすらカッコ付けてる分、観てて辛かったです。ただ、この前劇場でみた「Drive」と同様に「スタイリッシュ」とか言われて一部の人には評価されるのでしょうね。

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「キャプテン・アメリカ」

キャプテンアメリカは1941年、対ナチスの国威発揚的なものと

して始まったということを観た今知ったんですが、(これって日本

で言うと「のらくろ」にあたるのか?)なんでこんな古くさいもの

がかっこいいと思うのか次男がかなり気に入り、このアメリカの「

国威発揚」にのせられたらしく、アメリカのファンになったようで

す。子どもは純粋で思想とかがすっと入ってくるので

ちゃんとしたインプットを与えないと怖いですね。

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「ヒューゴの不思議な発明」

この映画、スコセッシ監督の映画というだけで、実は、何の映画かよく知らずに観たんですけど、映画の創世記をベースにしたファンタジーです。子どもに夢の映画史を教えるにはよいかもしれません。

実際、うちのこどもたちは喜んでみてました。コッポラにしろ、スコセッシにしろ、巨匠もある程度商業的に成功をおさめて余生を生きるようになると、自分のルーツを映画にしたり、童心に戻ってこんな映画作ったりするんですかね。
ジュード・ロウがパパ役で出てます。個人的に気にしてるエミリー・モーティマーとかあの「キックアス」(この映画に子どもが出るのはどうなのという)でニコラス・ケイジと共演してるクロエ・グレース・モレッツが出てます。

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NHKスペシャルの草間彌生特集

草間彌生さんが心を病んでるというのは以前何かで読んで知っていたのですが、自分の作品が2億で売れる人が、ずっと普通の病院の普通の病室に入院してて、あの狭い病室にホームセンターで買えるような普通の衣装ケースおいて普通に生活してるってところにいたく感動しました。
彼女のように精神疾患を患っている方が、ニューヨークでも、ロンドンでも普通に尊敬され受け入れられる世の中っていいと思いました。
彼女自身によると、彼女が自分の芸術で伝えていきたいことは、夏目漱石とか宮沢賢治が文学で表現しようとした「愛」と同じ次元のものらしいです。

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「バトルシップ」

すぐ前にみた「マイティソー」で浅野忠信もついにハリウッド進出か、と思ってたら、偶然、その後に観た「バトルシップ」にも主演していて驚きました。

しかも、今回は、マイティソーでのへなちょこぶりとは打って変って、ほぼ準主役的な日本人艦長役でかなり目立ってました。
ストーリー自体は「ロサンゼルス決戦」などと似た、侵略してくる宇宙人を地球人が迎え撃つという話で、「エイリアン対カーボーイ」が西部劇ミーツ宇宙人だったように、この映画は、第二次大戦戦艦ものミーツ宇宙人(&米国的青春ラブコメ)+みたいな、かなり適当な映画だったけど、ネタとしてはおもしろかったです。

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「マイティソー」

「アヴェンジャーズ」の流れで、急遽レンタル登録した「マイティーソ

ー」が届いたので観ました。この映画、コミック原作の特撮ヒーローものなのに、ナタリー・ポートマンが出てるというのは

認識してたものの、監督はケネス・ブラナーで、しか

も、なんだか知らないけど、ソーの取り巻き役で浅野忠信が出演し

てます。忠信自体はちょっとへなちょこな役ですが、ストーリー自体は漫画的に壮大な感じのため、そのせいか私にはちょっとついていけませんでした。

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「ライク・サムワン・イン・ラブ」

イランのキアロスタミ監督の新作です。
映画を観た後で読んだ情報では、とにかく日本で日本人を使って映画撮りたくて出資者を公募して作った映画らしいです。
日本で日本人を使ってといえば、過去にもフランスのジャンピエールリモザンの「TOKYO EYES」とか、スペインのイザベルコイシュの「NIGHT TOKYO DAY」とかありましたが、ロケ地の選択とか外国人目線なので日本人からすると不自然な映画でしたけど(まあ、そういう国辱的映像はそれで映画としてはおもしろいんですが。)、この映画は彼独特の間などキアロスタミの映画と言われるとうなずけるし、かつ、日本映画としてもそれほど不自然ではないという不思議な映画でした。ただ、脚本の細部には、これは普通日本ではないよねというシュールな部分は多少ありましたけど。
加瀬亮が怖かったです。「永遠の僕たち」に続いて今年は外国人監督ですね。彼にはどんどん世界に出て行って欲しいけど。
この主役の女の子はシンケンピンクの人なのですね。(子どもが大きくなったので戦隊ものは観てないので知りませんでしたが。)不自然といえば、高田みづえの「硝子坂」がタクシーでかかるんだけど、そんなラジオ今時ないでしょ!でも、おばあちゃんからの留守電聞いた後であの懐メロがかかるってところがなんかよかった。

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「ピザボーイ」

「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグを演じた、ジェシーアイゼンバーグ主演のB級コメディです。同じく彼が主演のB級映画で、ウディハレルソンと共演している「ゾンビランド」っていうホラーコメディの小品が最高におもしろかったのでかなり期待してみたんだけど、今ひとつ盛り上がりに欠けました。アイゼンバーグの使い方は正しいんだけど、ストーリーのつまらなさがそれに付いて行けてない感じです。まあ、でも「ソーシャルネットワーク」のヒットのおかげで、こういう映画がお蔵入りにならないというのはいいことだと思いますが。

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「ヴァージニア」

夏休み中に見た映画なんですが、関東はヒューマントラストシネマの小さい小屋だけで二週間限定、しかも一日三回の上映なんてと思いましたが、確かに、エンドロールのクレジット見ると、本当に2011年でアメリカンゾーエートロープスタジオ!「ゴッドファーザー」の監督なのに、商業的にはやりたいことはやりきったので、もうヒットしないことをわかって好きなことをやってる感じがすごくよいですコッポラさん。雰囲気的には、チャールズ・ロートンの「狩人の夜」とか、マリアンヌ・フェイスフル主演でマンディアルグの小説「オートバイ」を映画化したやつとか、昔みたいろんな映画のシーンを思い出せるようにスタイルが60年代以前の懐かしい感じなんだけど、ファンタジーシーンは手作り感のあるCGを駆使した、ジュネ&キャロの映画みたいにゴシックな感じです。ストーリーも節操ないけど、おもしろかった。

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「アフロ田中」

この映画、予告編からハズレははいと確信してましたが、松田翔太が怪演ですね。龍平と違って相変らずインデ

ィーズ系は、映画に恵まれない感じですが、あの意識過剰な二枚目の目線を逆手にとって、あの目力をこの手のナンセンスコメディーに使った監督のセンスは評価できます。映画における彼の利用価値を再発見させられた感じです。という意味で、コメディだったら翔太に限っては内輪ノリOKです。これからもがんばってください。

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「キツツキと雨」

「南極料理人」の監督の映画、映画撮影についての映画ですね。南極料理人のあの雰囲気そのまんまで、そこに役所広司がぴったりはまっています。ストーリーに起伏がないという以前に、何か起きそうだけど何も起きない日本映画らしい日本映画です。小栗旬はあまり監督には見えなかったですが、台詞で説明しない系の映画でいい演技してました。

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「苦役列車」

山下監督、高良主演というだけで内容をよく知らずに観たんですが、原作者の西村氏は私と同じ学年で、この原作となっている私小説は、19歳ー23歳の頃(1986頃)の話ということで、田舎から出てきた友だちがサブカルを語り出す台詞に出てくる固有名詞で昔を思い出しました。森山未來は、ほんとのダメ人間にしかみえないくらいに演技が凄いんですが、ただ、原作者をベースにしているので本当は無頼な小説家的な知性みたいなものが少しは役から感じられてもいいような気もしました。

映画の役はそこがまったく感じられずモテキが20年前にタイムスリップしたように、さらに風俗好きでうらぶれた感じだけがよく出てました。高良が20年前の私の大学生時代にはやったような髪型とファッションで登場するところを見られるだけでファンは泣けると思います。

後で、原作を読んでからわかったんですが、文学賞取った原作の映画は、台詞が原作とほぼ正確に一致していますね、原作の縛りが強いのだろうなと思う反面、主人公が恋する女の子は実は原作にはなくて、しかもAKBの人気アイドル、前田敦子だったんですね。だから、海とか雨でずぶ濡れにさせたりとか微妙なシーンが多かったのかと納得。そんなことしても狙ってる客はこないし、逆に映画そのもののファンは離れてくと思うんだけどね。中途半端に、二兎を追うものは一兎も得ず。

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「ダークナイトライジング」

前作「ダークナイト」はジョーカー主演の映画でしたが、この映画ではバットマンがが主役でタイトルはダークナイトでも、「バットマンビギンズ」の続編という感じです。原作のキャラクター設定に依存しているため、サイコなジョーカーとは違って、あくまでもコミック的な悪役で異常怖さはなく、設定も原作に忠実で展開が少々現実離れしているためノーラン的な細部のニヒルな描写かみあってない感じですが、アクションとしては前作をさらに進化させた形でバットマン3部作の集大成という感じです。あと、何と言ってもこの3作目でいいのは、アン・ハサウェイのキャットウーマンと、ノーラン映画の常連、ジョセフ・ゴードン・レービット演じる刑事で、特にキャットウーマンはクールで、この2人の登場する4作目を期待したい感じです。

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アメリカ対リトアニア

リトアニアは、2敗しているので今回はめずらしく弱いのかなと思ってましたが、アメリカに対しては、やはり闘志燃やしてきますね。他の国と比べて、NBA選手は少ないかと思ってましたが、そうか、クレイザがいたんですね。デンバーで、6thマンのJRスミスの次の強力な7thマンとしてのオフェンスマシーンの印象が残ってますけど、目立ってましたね。
でも、アメリカは波があるので、シュートが入らない時に、調子のいいところとあたると、ちょっとやばい感じありますね。

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「パラダイスキス」

金持ちのデザイナーの卵に恋をする女子高生がモデルに出世してニューヨークで再会って、少女漫画は知らないけど、30年前ならまだしも今時こういう話が今の若者に理解されるのか?!という感じで、向井理の台詞の棒読みと、北川景子の大根役者ぶりに疲弊しながらも最後まで観ました。

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「ヒミズ」

親から虐待され愛されない子どもの話は小説でも映画でも昔からよくあるクラシックな題材ですが、その問題に震災の話を絡めたストーリーです。台詞回しが演劇調でクセがあり、普通にストーリーに入っていくには難しい感じで、特に台詞で主人公の2人がけんかばかりして、その張り合いが尋常でない感じなので、観るものは苦痛を強いられます。ただ、それは監督が意図するところなんですが、「Hazard」同様、犯罪者、暴力描写はちょっとみていてきつかったです。
今年、作家性のあるいろんな監督に使われブレークした染谷将太は相変らずワンアンドオンリーな個性的な演技をみせてくれます。女の子はかまってちゃんに出ていた二階堂ふみですね。あのテンションでずっと演技している主演の2人はすごいと思いました。

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「アフロ忍者」

私は邦画も洋画もよくC級映画のDVDを観るのだけれど、昨日、アニメのアフロサムライをこどもとみようと思ったら残酷すぎて2分で中断だったので、その代わりとして、「アフロ忍者」という米国の実写映画をみんなで観たところ、おもしろかったです。C級にしてはめずらしく吹き替えが付いていて、主人公の声が古谷徹だったりして、悪ノリで星飛雄馬の名台詞が出てきたりもします。
米国人はブルース・リーを日本人と思ってる人が異常に多いですね。それ以前に香港と日本の区別もつけられてないですけど。

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「アントキノイノチ」

これTBSの制作ですね。タイアップのテーマソングとか、話の展開、台詞回しまで監督が原作と原作者の制約に苦しんでる感じが映画から見て取れますけど、同じTBS制作で榮倉奈々主演の「余命一ヶ月の花嫁」で、廣木監督が同じ制約を乗り越えらなくて凡庸なドラマになってしまっているのと比べると、ちゃんと映画として最後までちゃんとみせられる瀬々監督はがんばってると思います。監督と共同脚本の田中幸子は「トウキョウソナタ」を書いた人ですね。
染谷将太は「東京公園」同様、榮倉と共演ですが、ここでも存在感のある演技みせてました。

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「モテキ」

劇場版のDVDを観ました。人気漫画が原作で映画というよりはプロモビデオ的な感じで、パーフュームのミュージカルシーンとか、カラオケのスーパーインポーズとかTwitterのやりとりをそのまま見せるとか今日的なギミックは満載で、小ネタも笑えます。
森山未來は「フィッシュストーリー」なんかでもそうですけど、踊れる役者なので、ミュージカルのある巻き込まれ型映画には適役ですね。
あと、主演以外もキャストがいいですね。特に色男を地でいけるリリーさんの「なーんてね」のシーンは笑えます。
原作を知らないので、宣伝でフィーチャーされている4人の女優がほぼ同等な立場なのかと思ってましたが、長澤まさみがメインなわけですね。ふられ役が慣れていない麻生久美子の泣きの演技以外は、それぞれ持ち味を引き出されていてよかったと思います。
あと、音楽はいろいろなミュージシャンの揮発曲が使われているのですが、節操なくメジャーとオタク、ダサいものとかっこいいものが奇妙にミックスされていておもしろいです。
(女王蜂って知らなかったけど、なんか、日本の若者も捨てたもんじゃないな。)
この前観た「宇宙兄弟」なんかもそうなんですが、ヒット漫画原作映画の欠点として、ストーリー展開に創造性がなく、先がよめてしまうというか、おっかけて、泥にまみれて、・・・というのは、ちょっとしらける感じでした。

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「きっと、ここが帰る場所」

先週水曜日に会社の帰りに有楽町で観てきました。
タイトルもテーマソングもトーキングヘッズで、ハリー・ディーン・スタントンが出てたりとか、イタリア人のソレンティーノ監督は同世代かなと思ったら、やはり1970年生まれでした。ウェス・アンダーソンとかソフィア・コッポラの映画みたいな感じで、日本もアメリカもイタリアも、こういうアンチメインストリーム指向の、脱力系の笑いに関する同世代感覚に国境はないというか。なんか、懐かしく思いました。
でも、本人役で出演しているデイビッド・バーンも、主演のショーン・ペンも、もう85歳になるというスタントンも久しぶりに見たけど、歳とりましたね、
ショーン・ペンはさすがというか、おそらくギャラも安いであろうインディーズ作品でこの演技、さすがというかこんな俳優他にいないと思います。(主人公の風貌のモデルはキュアのロバート・スミスだそうです。)
舞台はダブリンからアメリカへ、「バグダッドカフェ」っぽいファンタジックなフレーバーを少々加えた感じもありますが基本、「パリ・テキサス」的な絵が展開されてて、ほんとに私的に撮りたいものを撮ったという感じでしょうか。
ダブリンということで、ボノの娘が、かなりインパクトのある役で出てます。マライア・キャリーのネタは笑いました。

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Back to the basics

最初は、サンダーを応援していたのだけれど、ウェストブルックなどの若さゆえの無謀なプレーを見ていると、第3戦あたりから、ボッシュの復帰でメンバーも揃い、プレーも堅実なので、経験の足りないサンダーの優勝は時期尚早で、優勝に値するのはヒートだと思うようになり、どちらか勝ってもいいと思うようになっていました。
例えば、オニールとペニーが初めてファイナルに出てスイープされた時とか、レブロンが最初のファイナルでスパーズに負けた時のように、ファイナルゆえのプレッシャーのようなものがあるのか、勢いで勝ち上がってきたチームで、これまでよく決まっていたシュートが決まらなくなるという過去の若いチームでよく見てきたのと同じ状況が今年のサンダーにもみえて、最後は経験のあるヒートが勝つのだろうと思いましたが、やっぱり4ー1でしたね。あさっりと終わってしまうのは寂しいですが、それがサンダーの実力だと思います。
ヒートは、スターターのすべてが3Ptを決められるというところが強かったですね。あまけに、マイク・ミラーにジェームス・ジョーンズもいるので、そこは強いと思います。
ビッグ3結成の例のパフォーマンスを見てからアンチ・レブロンだったのですが、モチベーションの高め方などのメンタリティ、ゲームをコントロールする知性、プレーを堅実に遂行するテクニックなど、すべてにおいて彼の進化を感じました。
試合が決まってからベンチに戻って試合を見ているデュラントの目は、去年までのレブロンと同じ表情でしたね。試合後、ジェームスとデュラントが抱き合うシーンは、感動しました。デュラントがジェームスと違うのは敗れた時に、最後までそれをしっかり見て受け入れ、最後に祝福できるというところで、そこが泣けました。レブロンでさえ9年かかったわけで、また来年以降、同じ舞台に戻ってきて欲しいですね。
表題は、表彰式のインタビューでレブロンが強調していた言葉です。
アメリカ代表を4人そろえたチームでも、NBAを制覇するためには、自分の実力におごることなく、常に基本に戻って、自分を見つめ直すということだったのですね。ファイナルでの彼の表情に感じていたものはそれだったのかと納得しました。

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ファイナル第三戦

勢いでこのままサンダーかと思ってましたが、堅実なレブロンと、ゴール下のボッシュの存在が効いてますね。イバカとパーキンスでペイントはサンダーが制圧するのではと思ってましたが、逆にこれだけリバウンドとられるとさすがに厳しいと思います。
でも、ダークホースというか、神憑ってるのは、バティエですね。これまで、ディフェンスの選手としてしか知られてませんでしたけど、スターターでプレイングタイムも40分以上与えられ、30にしてもっとも目立つ華やかな舞台で開花したという感じですね。
サンダーはレブロンをディフェンスしているデュラントがここ2試合ファウルトラブルなので、ディフェンスのアサインメント変えたほうがいいかもしれませんね。
ウェストブルックは確かに3Qシュートセレクト悪かったけど、ちょっとフィッシャーを出場させる時間が長過ぎたと思います。

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「これでいいのだ!!映画赤塚不二夫」

赤塚本人をコメディにする部分と、母親とのエピソードやスタッフに対してみせる人柄の描写などヒューマンドラマの部分を両立させようとしているところに結構無理があったと思います。ただ、映像化自体はうまくいってないものの、そこから想像できるストーリーにはほろっとさせられる部分もありました。
浅野忠信は相変らず下手なんですけど、そのはずしっぷりには一見の価値はあるかもしれません。

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「宇宙兄弟」

実写版を先々週家族4人で観ました。宇宙がテーマでこどもも喜ぶかなと思ったことと、あとは、男2人兄弟の兄弟愛の話ということで見に行ったのですが、あくまでも漫画が原作ということで、こんなもんかなという感じでした。
主役の2人を含めて宇宙飛行士候補の新井浩文とか、濱田岳とか、全員、まったくそうみえないというところがよかったです。妻は小栗旬がよかったということですが、私は33歳で26歳のあのキャラクターを演じられる麻生久美子がよかったです。

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「カウボーイ&エイリアン」

西部劇とエイリアンものを同時に楽しめるというある意味贅沢な映画でした。ピカレスクで、敵の敵は味方ということで、だんだん何が何だかわからなくなるけど、とにかくエイリアンを倒すというノリで。。
ウェスタンが似合う顔立ちってのがあると思いますが、そういった点では主役はバッチリ、ウェスタン顔でした。に、合わせてファンサービスなのかなんなのか、ハリソン・フォードをあの格好で登場させるってのも、よかったです。
あと、西部劇のラストは、「別れ」で決まりだけど、その安定した予定調和ぶりもOKでした。

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「後白河法皇」

五木寛之の「親鸞」にも名前が出てきたり、この時代の登場人物で特に興味があったんで読みました。政略結婚によるぐちゃぐちゃな婚姻関係とか、暗殺、拷問とか日本の中世の頽廃ぶりがよくわかりました。後白河法皇は庶民に人気のあるバイセクシャルで、好奇心旺盛のはやりもの好き、今でいうアスペルガー症候群だったらしいです。大河ドラマでは松田翔太が演じてますね。でも、こういう口を引き裂いてさらしものにしたり、島流しにされて舌を噛み切って出た血で呪いの文言を書いたりという現実の歴史を知ると清盛がマツケンで信西が阿部サダヲという大河ドラマで歴史を知るというのは子どもの歴史教育にはよくない気がしますね。



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「DRIVE」

スタイリッシュってのは確かにわかるけど、ちょっと暴力描写がえげつなさ過ぎ。こうした描写をしないのが、かつては映画の守るべきスタイルだったはず。タランティーノ以降、規制に捕らわれないことをかっこいと思っているのか、リアルに描きたいのかしれないけど。あと、音楽のセンスが最悪。この「Human ~」がどうたらこうたら歌っている大音量のエレポップがいいところでかかるセンスはなしだと思うぞ。ただ、キャリー・マリガンがきれいに撮れているので、彼女のファンは見る価値はあると思います。まあ、それが目当てに見に行ったわけなんだけど。。

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「サイタマノラッパー3 ロード再度の逃亡者」

1作目の埼玉、2作目の群馬での女子ラッパーとの勝負、3作目の今作は予告通り舞台は栃木で、回を重ねるたびにこのシリーズ好きになってきますが、今回はちょっとこれまでの人情話路線とは少し違う感じのタイトルどうりの逃亡劇で筋は去年公開、廣木監督の「軽蔑」に似てますが、コメディ部分は相変わらずおもしろかったです。劇中のライムに忌野清志郎の歌詞とか、町田康の小説とかに似た日本語のセンスを感じます。ラストはお約束のフリースタイル対決です。あと、悪徳HIPHOPグループのリーダー役はなんとあの「ムカデ人間」のムカデの頭部分の人です。

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「女優 岡田茉莉子」

少し前に本屋で見つけちらっと読んで即買いしました。この人ある意味、吉田喜重と結婚してなかったらもっとメジャーな映画と関われて、また、違った人生歩んでいたんでしょうけど、大女優なのに仕事失ってもアヴァンギャルドな監督についていくというのはよほどの強い意志がないとできないと思います。ただ、こちらからみると不遇と思われている時代でも、商業的には評価されない夫の仕事を評価し尊敬しているので、そういう点では幸せな人生だったのでしょうね。フランスなどで評価されているのは事実なので。
特に父親を知らなかった子ども時代、新潟での戦時中の苦労、東宝、松竹に所属していた頃の前半が回想がおもしろくて、成瀬、小津、マキノといった有名な映画作家だけでなく、当時は小説家が脚本を書くことも多く、映画が文学が近いところにあったので、谷崎、川端ら小説家との交流の話が出てくるのですが、それが興味深かったです。(岡田の父親はトーキー時代に日本のヴァレンチノの呼ばれていた名優で、彼女の名付け親は谷崎)

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「ハーモニー」

装丁と帯に惹かれて買ったけど、イマイチでした。
マークアップのギミックとか、女子高生の一人称という文体とかが自分にはあざとく感じました。おそらく原作者は映画好きで、「ガタカ」みたいな映画の影響も感じるけど現代の事件の未来への折り込み方も説明的すぎるけど、単に骨格だけなぞって、描かれているイメージをそのまま映画化するとおもしろいかもという気はしました。
この小説で描かれる近未来はうちの子どもが100歳だけど、100年先の世界はどうなってるんだろうか。

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「ルート・アイリッシュ」

4月に銀座で観てきました。ケン・ローチの映画って観た後に気持ちが沈むんだろうなと思いながらも、毎回映画館に行ってしまうんだけど、今回は舞台がイラクで民間の軍事企業を題材にしたもので、しかも、これまでの彼の映画とは違って、ある意味ハリウッド的な主人公に感情移入させられるサスペンスありの復讐劇なので、観た後、自分の道徳観を問われるような結末がかなり後味悪いです。フィクションだけど、実際にあった事件を題材に、元兵士に対する取材などを元に作られていて、相変わらず、彼らしい分かりやすすぎる正義感が露骨に出ているので、そういう点ではうれしいし、普通の巻き込まれ型のサスペンス劇としてよくできていると思うので、観て損はないとは思いましたが。

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「コンテイジョン」

劇場で見のがしたけど、DVD出たのでようやくみました。周りの評判はそんなでもなかったので期待しないでみたんだけど、ソダーバーグの映画の中で一番好きかもしれません。チェ・ゲバラの例の二部作はわざとドラマ性を排してドキュメンタリーっぽく淡々と撮ってましたが、この映画も「感染列島」なんかとは対極にある感じで極力感情移入させることを排して台詞を少なく、6人のメジャーな役者を使って、それぞれのエピソードを絡めて行くところはあっぱれな感じです。
あと、ジュード・ロウの意地悪さとか、マット・デイモンの不器用さとかそれぞれ期待される役の素材の良さを引き出せている演出と、それに応える役者もいいですね。防護服のケイト・ウィンスレットが生き残ったサルみて微笑むシーンとかが、かわいくてよかったです。

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「バビロンの陽光」

サダムが行ったクルド人虐殺を題材にばあさんと孫が荒涼としたバビロンの砂漠をヒッチハイクとバスで息子(孫の父親)をバスで探しに行くというロードムービーです。監督は若いアラブ人でおそらく監督自身の気持ちを投影しているのだろうと思われる登場人物が重要な役として出てきて善悪と贖罪について考えさせられます。こういう日本語以外の映画だとイントネーションがわからないということもあるんでしょうが、主役の2人は素人とは思えない演技でした。ラストのバスのシーンがかなしいです。

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「監督失格」

AV女優だった昔の恋人が突然死してしまった監督がその死を乗り越えて、、というドキュメンタリーです。
好きだった人の「死」を作品として人に見せるダメ男のセンチメンタリズムってまさにアラーキーの写真の世界なんだけど、違う点はこのケースの場合は不倫で、監督の片思いだったということでしょうか。
どちらかというと、私の心に突き刺さったのは、母親(野方ホープ軒の女社長とか)と娘の友情の部分で、マンションの鍵を開けて入ったところに死んでいる娘を発見して慟哭するシーンなど観てられないです。映画の制作者サイドよりも、こうした現場の動画の効果を許可したお母さんがすごいと思いました。

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「スマグラー」

石井監督のコミックをコミックっぽく映画化する独特のオリジナリティは相変わらずだけど、拷問シーンとか悪趣味すぎてついていけませんでした。(このバイオレンスが原作どおりなの?)あと、満島ひかりと松雪泰子の意図的な棒読み演出も、もともと演技できない彼女らがやっても逆効果というか。。背骨と内蔵の格闘シーンは特撮スローモーションだけど迫力あったと思います。そういう意味では安藤政信が一番よかったかな。

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「ハングオーバー2」

今回は舞台はバンコックで前作よりさらにパワーアップしてます。
確信犯的に筋は前作と同じで、しつこさと差別ネタは相変わらずです。下ネタもバンコックなので○×△ということですね。。なぜか、ここまで突き抜けると爽快で、このシリーズ大好きです。チャウもあのハイテンションで再登場しますよ!目の周りのタトゥーは、、そうか、最後のスペシャルゲストの伏線でした。また、今回も、エンドロールのスナップショットによる「解答」がかなりぶっ飛んでますね。

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「劇場版神聖かまってちゃん」

この前のサイタマノラッパー3がかなり気に入ったんで、入江監督の去年のこのDVDを借りてみました。
かまってちゃん自体はどうでもいいんだけど、映画として観ると、ラスト2曲のところの演出と編集がかなり好きです。この編集はインディーズとか学生映画だとありがちなもので、下手な監督がやると鑑賞に堪えないものになりますが、そこはSR同様、さして演技のうまくないほとんど素人の役者を使っても、演出力でいい表情引き出して、しかもカメラアングルとカットの切り替えもすごくよかったです。

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無題

吉本隆明が「人類は反原発でサルになる」と語って叩かれてましたけど、これはわたしもそう思います。「人類は原子力という恐ろしくて人間の手に負えないものを生み出した」と、よく言われますが、もともとサルだった人類にとってはほとんどすべて手に負えなかったものを、そのリスクを受け入れてトライ&エラーを繰り返しながら危険回避の知恵を技術を獲得し、そのリスクに対する対価を有効利用することで進化してきたわけで、ゼロリスクを求めて「恐ろしく人間の手におえない」という現在からの視点で物事を考えたら技術の進歩はありません。こどもの頃、SFで銀河を超えるロケットやロボットに憧れましたが、100年単位のスパンで考えると、確実に化石燃料は100年もたないことから、200年後の人類は自然エネルギーと原子力でエネルギー問題を克服しているはずです。そして、そのエネルギーを基に、ロボットだのロケットだの夢の技術が実現されているのではないかと想像します。その頃には大昔に起きた福島の事故による低線量被爆に関する統計的なデータもそろい、除染の技術も進み原子力をコントロールできる国が、すなわちエネルギーをコントロールし世界を制しているものと思います。駅前で「世界は終わります、イエスキリストは観ています」というのと同じレベルで危険だけを煽り、危機を克服する技術を何も生み出さない、なかば昔の左翼的、宗教家的な科学者を信じて、「原子力」を悪者とし、原子力に対する技術を何も手にしなくなった国家は、すべての源泉となる未来のエネルギーの可能性を放棄してりまうわけで、200年後には、隣の大国に飲み込まれて滅亡しているかもしれませんね。

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「マネーボール」

DVDで観たんだが、期待しすぎたのかイマイチでした。米国プロスポーツのGMの仕事がこんな感じというのを知るにはおもしろいけど、映画のストーリーだと、マネーボール戦略をドラマチックに描いている割には、それが結果に結びつくところの描写が希薄というか。でも、自分が知ってる大リーグというのはそれこそ、ストロベリーとかジャスティスが活躍していた時代なので、ジャスティスが活躍が期待されない高給取りで、しかもこの映画の時代にアスレチックスにいたというのは変な感じでした。

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「11.25 自決の日」

水曜日に観てきました。道玄坂のユーロスペースには変な緊張感がありました。いわゆる元サヨク?の監督による映画なので主人公達の描かれ方はどんな感じになるのだろうと心配でしたが、現在からの視点でみたあの時代ということで批判ではなく、シンパシーを持って描かれている感じでした。ただ、それを露骨に表現するラストシーンは余計で不要だと思います。
主演の元ARATAは、本人とはまったく似ていませんが、モデル出身で演技が下手だった彼がここまで鬼気迫る演技を見せられるようになったことを思うと感慨深いです。

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インースタンカンファレンスファイナル ゲーム6

マイアミ 対 ボストンのゲーム6。2-4 でエリミネーションではと、ここでは書いたけど、どっこいレブロンはタフでしたね。あれもレブロンというか、昔から3pt が入るゲームの彼はとことん手が付けられないですね。
試合はクソゲームでしたが、4Q の終わり20点近く差がついて3人が引っ込んだ後に普通だったら駐車場の混雑を気にして観客が帰って客席がスカスカになってるはずのところを「Let's go Celtics!」の大合唱。アウェーの前試合のがんばりと、ゲーム7もがんばってということだと思うんだけど、NBAではこんなシーンほとんど観たことないので感動しました。テレビカメラはその状況下での3人の表情を捉えてたんだけど、中でも、コールに呼応して何度かうなずきながらコートを見つめるポール・ピアースの眼光の鋭さがよかったです。

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「はやぶさ」

「はやぶさ」映画4本のうち、一番最初に公開された竹内結子、西田敏行(日本を代表する大根役者2人)が出演するやつをDVDで観ました。あまり評価が高くなくて、元々期待はしてませんでしたが、はやぶさが竹内結子の吹き替えで一人称でしゃべり出したりするので、子どもにはいいかもしれません。念のため、今後、他の3本も観る予定です。

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「RIVER」

いきなり冒頭から廣木節炸裂という感じで、秋葉原の駅出たところからずっとハンドカメラの長回し、最後のほうで主人公が泣き出すところの演技とか見ると、奇跡的な感じでした。
特に、主演の蓮佛美沙子があまりうまくないので難易度高かったと思います。駐車してる車とか、前横切る通行人とか、「軽蔑」での高良の鼻水の垂れ方なんかもそうですが、細かいところは気にせず続けて映画にしているところが好きです。
雰囲気的には「ガールフレンド」に似ている感じで、冒頭のカメラマンのシーンを観てると筋が同じなのかと思ってしまいましたが、後で監督のインタビューを読むと、街と関わりながら写真を撮っているカメラマンと同じ目線で撮りたいみたなこともあるようですね。自分が監督の映画が好きなのも、こういう学生映画目線で撮り続けられるところなのかもしれません。メジャーになっても、たまにインディーズにもどってきてこういうの撮れるってのがいいですね。そうした意識だけはあっても、行定監督みたいに、もう昔のようなものは撮れない人も多いので。
脇役が形式的に順に登場するのですが、根岸季衣とか、田口トモロヲ、柄本時生がいつも通りの役を見せてくれるので安心します。トモロヲさんは緑のジャージがよく似合いますね。小林ユウキチの被災地のシーンは震災後にシナリオを変えて付け加えたシーンで、ここだけ唐突に主役が代わりサイドストーリー的なものが全面に出てくるのですが、ストーリーの不整合とかは気にせず、被災地をひたすら歩くところをひたすら長回しで見せるのは、震災で感じたものを役者の演技を通してみせたいとう作り手のメッセージだと解釈するので、ありだと思いました。
それにしても、映画館は同年代の比率ほぼ9割、男性比率約95%な感じでした。。ファン層がはっきり出てましたね。。

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「生きているものはいないのか」

石井監督が舞台劇を映画化ということ自体どういうものかイメージできなかったんですが、台詞は多いのだけれど、いわゆる演劇的な台詞回しでなく、かといってこれまでの彼の映画とも違って、新しいチャレンジなのかなと思いました。同じようにヨーロッパ企画の演劇が原作の「サマータイムマシンブルース」みたいな、前半の学生たちのテンポのいい会話のやり取りは結構好きです。今は神戸芸術工科大学というところで教えてるようで、この映画もキャンパスを舞台に低予算で学生映画的なテイストの映画になっています。
先生みずから学生映画はこう撮れというお手本を見せてくれているような感じなんだと思います。
ただ、ちょっと音声はもう少しお金をかけてもいいのかなと思いました。キャストは有名なのは今が旬の染谷将太と、こういうインディー映画に好んで出る村上淳以外はこれといって知名度のある役者は出演しておらず、平等にオーディションで決めたということで、神戸芸術工科大学の学生もかなり重要な役で起用されています。なぜ演劇的な台詞主体の映画を撮ったかについては、この映画のサイトの監督のインタビューで語られています。
石井監督らしい映像へのこだわりは地下のトンネルのシーンなどに見ることができました。

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リン

話題のリンを、録画しておいたレイカーズ戦ではじめてみました。
カーメロが欠場して急に勝ち出したので、オフェンスをハーフコートから去年のスタイルに戻したのかなと思いましたが、基本的にハーフコートオフェス中心は変わってませんね。ただ、ボール運びなど攻撃の起点は必ずリンという感じなので、ちょっとボール持ち過ぎという場面もありますが、このオーソドックスなスタイルがニックスにはよいのでしょうか。ただ、4試合連続20得点はフロックではない気がします。
フィールズがスタンフォードで、リンがハーバードとIQが高い感じのニックスというのもいいですね。ダントーニはある意味、2番手のビビーではなく。彼を使い続けたという先見性で自分の首をつなぎましたね。
これだけブームになると、逆に今度は観客がうるさいので、カーメロやバロンデイビスが戻ってきても、結果を残し続ける限り彼を使い続けることができますね。


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「Jエドガー」

イーストウッド映画だけど、主演ががディカプリオなので、あまり期待せずに見てきました。もともと期待していなかったのでよいとも悪いとも思わなかったのですが、「チェンジリング」と同じ20世紀前半のあのコスチュームとトム・スターンのカメラは相変わらずいいと思いました。
ただ、実はフーバー長官がゲイだったという予備知識なしに見たので、ストーリーは想像していたものとは違ってその意味では楽しみました。主人公に共感させようとするかに見えて、常人には理解できないけれど、特殊な人たちの人間的な面をむき出しで見せるシナリオは、ここ数作の彼の映画より、2000年代前半の彼の映画らしい感じでした。
予想していなかったといえば、登場人物が一人で老後まで演じきるということも知りませんでした。ディカプリオのほうの特殊メイクはここまできたかとは思うくらいによくできた感じでしたが、相方のほうの特殊メイクは老人の顔というよりは、ホラー映画というか病的な不自然さがあってちょっと失敗している感じでした。

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「ロボジー」

矢口監督の映画、絶対にハズレはないだろうと思い4人で見てきました。
こんな感じで笑わせてくれる映画だろうなという点は想定どおりでしたが、オチは読めませんでしたね。
田辺誠一とか竹中直人とか常連のちょい役もいい感じですが、濱田岳、吉高由里子がいい感じですね。
特に吉高は「婚前特急」ほどは天然バカぶりの演出がうまくはないものの、スクーターに乗せられたりスラップスティックな同じ使われ方でいい味出してました。
ただ、まあ、やはりこの映画は五十嵐信次郎ことミッキー・カーチスのあの演技とキャラクターなしではできなかった映画だと思います。

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ロサンゼルス・ダービー

先週のレイカーズ対クリッパーズ、最近、さらっとみている感じのNBAだけど、久しぶりにおもしろいゲームみました。クリッパーズの3人のPGというのもおもしろいけど、マイク・ブラウンがきて、なんかフィジカルなスタイルのレイカーズも意外におもしろいです。
グリフィンをいらつかせるワールドピースは相変わらずですが、レジーエバンスはポールもいろいろ負けてなかったですね。それにしてもグリフィンの運動能力はなんというかすごいですね。フェイダウェイジャンパーの後ろに下がる距離とか、今までみた事のない感じのダブルクラッチシュートとか、、

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「永遠の僕たち」

ガス・ヴァン・サントの映画は自分にとって退屈なものが多く最近は、彼の名前を見ただけでパスするんですが、先々週の「宇宙人ポール」の予告編が何か自分が思っていたのと違う感じなので気になって今日見に行ってきました。彼の映画は体調万全でないと寝てしまう気がしたので、前日は睡眠時間をよくとっていってきました。
余命数ヶ月の少女との恋愛というありがちなストーリーなのですが、リアルに描いてお涙頂戴という映画ではなく、ゴーストも出てくるファンタジーで、臨死体験という点では、先日みた「ヒアアフター」と共通する部分があり、この世とあの世のつながりがテーマということでは昨年末にみた「ラビットホール」とも似た雰囲気があります。メジャーな監督が低予算で自分の好きな題材を型の力を抜いて作った感じが出ていて、アメリカの田舎を舞台にレイドバックしたやさしい音楽が流れ、特に前半における2人のアメリカ映画的な気の利いた台詞のやり取りがいいのが、これまでの彼の映画と違ってストーリーに入って行けた理由かもしれません。あと風景のカットの入れ方や、感情移入をさせることを抑えた演出などに最近の日本映画的なものを感じました。加瀬亮を使ったのも日本的なものを意識したところもあるのかもしれません。
主役を演じた知らない役者Henry Hopperに見せられましたが、エンドロールの「デニス・ホッパーに捧げる」のクレジットをみて、ようやく気がつきました。確かに似てますね。デニス・ホッパーファンとしては感無量でした。


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変わった名前の選手

レイカーズにMetta World Peace という冗談みたいな名前の選手が入っているいるのに気がつき、顔写真を見てみたらロン・アーテストだった。
でも、こんな改名ってありなのか。。
今後はレイカーズの試合の中継で、シュート狙った時なんか、アナウンサーが「World peace」「Yes!」とか言うと思うと、おもしろいな。

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NBA on WOWOW

スカパーがNBAが儲からないからやめたのではなく、単純に放映権をWOWOWに取られたということをシーズン開始2週間後、今年に入ってようやく気がつきました。WOWOWは、あまりこれについては広告は出していなかったと思うので、気がつきませんよね。悩みましたが、シーズン中だけ契約すると、だいだいリーグパスを買うのと同じくらいであることに気がつき、スカパーでWOWOWを追加で契約することにしました。
ということで、今日はじめてとりだめしたゲーム、マジック対ブルズを観たのですが、宣伝にお金は使っていないものの、コンテンツのローカライズには力を入れているらしく、日本語のアナウンスと解説付きで、しかもスーパーインポーズのスタッツや選手データなども日本語化されてて、身長もセンチメートルで表示されているのに驚きました。ただ、逆に、オリジナルの解説が恋しいのと、あと、例のバークレーとウェイドのTモバイルのCMとか、ハーフタイムの現地の解説まで完全に日本独自のものに置き換えられているので日本向けに独自性を出して新たなファン、視聴者を獲得しようという姿勢は評価しますが、あれに慣れていただけにちょっと寂しい気もします。

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「宇宙人ポール」

結構評判がよかったのと、宇宙人の造型のB級度にひかれてはずれはないと確信し見に行ったのですが、イマイチな感じでした。よく考えてみると、自分の嫌いな映画のいくつかの要素もわかっていたわけで、そこに気がつくべきだったのかもしれません。
まず、露骨なパロディと、映画好きにはわかるというノリが嫌です。映画館の中にも、リピーターなのかなんなのか、そういう空気があって、というのは、やらせではないけれど、ここってそんなに笑うところかというところで、少しタイミングが早く、しかもちょっと大げさな感じで昔のテレビのコント番組不自然に笑いの反応がよすぎて逆にひきました。そうした映画の内輪乗り要素に加えて、主人公のオタクの風貌とノリに抵抗がありました。

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「ナニワサリバンショー」

ライブ映画って、結局映画館で座ってみるわけで、映画はどうせ本物のライブを観るよりつまらないだろうと思いあまり好んで観ないんですが、この映画は清志郎に関するドキュメンタリー的な部分や、ライブ参加者たちのささやかな脚色映像が挿入されていたりおもしろそうなので見に行きました。
東京は新宿1館だけなので、選択の余地はもともとないのですが、音が割れるというかあまり音響がいい場所ではなかったのでライブ映画としては残念な部分もありました。(もう少し早く見に行けば、広い音のいいほうで上映してたのか?)ただ、まあ、歌、音楽を聞くということに加えて、何よりもそのユニークなエンターテイメント性重視のパフォーマンスと、私があまり知らなかったゲストの人たちとの組み合わせの妙を楽しみました。
個人的には、冒頭のホーンのオーケストラに布袋寅泰のギターが絡む曲と、歌詞が清志郎らしくておもしろいラストの「ナニワサリバンショー」のテーマが楽しかったのと、後は、おそらく自分がRCで一番好きな「君がぼくを知ってる」を歌ったハナレグミ(中学の後輩とは知りませんでした)との曲とか、あとは、これはその後から矢野顕子がアルバムで出して個人的に好きで何度も聞いてる「ひとつだけ」のデュエットは「僕のことを忘れないでいて欲しいよ」というところは実際のライブ映像でも泣けました。
映画館は私と同年代、もしくは、ちょっと上の男が圧倒的に多い感じでしたが、評判どおり、いい映画でした。

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「リアル・スティール」

子どもが観たいというので正月休み、家族4人で川崎で吹き替え版を観てきました。父子のきずな、ロッキー的なロボットバトルと結末はほぼ完全に想像できますが、こういう映画はひねくれた見方をするより、古典落語の人情話同様に、お決まりのストーリーをしっかり描いてみせられるかが勝負なので、(吹き替えで観ると、役者の声の個性が殺されるので、さらにお決まりのストーリー感が増しますが、、)そういう意味では悪くなかったと思います。

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「ヒアアフター」

公開直後にちょうど東日本大震災が発生したため、公開中止になっていたこの映画、DVD発売時の宣伝もほとんどなく、ひそかにリリースされていたことを最近知りました。実は、津波のシーンは冒頭のわずかな部分に過ぎないのですが、特典映像のインタビューからもわかるように津波をリアルに描写することに、かなり重視して作っているようなので、あの時期に公開中止の判断は妥当なものであったと思います。(津波のシーンは、当然のことながらCGですが、数年前のマレー半島沖の津波を研究して作ったとは言っているものの、本物の津波のニュース映像を目にした後では、波の近づいてくるスピードなどが早すぎてリアルではない感じでした。)ただ、津波のイメージは確かに映画の中で重要な意味を与えられてはいるものの、それは単に一登場人物の心理の中であって、映画そのものは津波のパニックを描いた映画ではないので、この津波のシーンのためだけに、この映画が公開中止になってしまったのは、残念な気がします。
「ミスティックリバー」とか「ミリオンダラーベイビー」のようにハリウッド的な予定調和とは真逆の観客が見ていてつらくなるような結末ではなく、ここ数作のイーストウッドの映画同じく、シナリオ自体はわかりやすく、普通に登場人物に共感できるような映画になっています。トム・スターンのカメラが相変わらずすばらしく、主人公が窓越しに通りを見下ろすシーンなど、あの感じが好きです。ストーリーは3つのストーリーがそれぞれパリ、ロンドン、サンフランシスコで進行し、撮影も現地で行われて、米国以外が舞台となる彼の映画はめずらしく、特に、3つのストーリーがつながるロンドンでのシーンがいい感じでした。
主役は前作と同じマット・デイモンで、実は、これまで、自分にとってはどうでもいい役者という位置づけでしたが、この2作で彼のファンになってしまったようなのは、やはりイーストウッドのマジックでしょうか。

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