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「RIVER」

いきなり冒頭から廣木節炸裂という感じで、秋葉原の駅出たところからずっとハンドカメラの長回し、最後のほうで主人公が泣き出すところの演技とか見ると、奇跡的な感じでした。
特に、主演の蓮佛美沙子があまりうまくないので難易度高かったと思います。駐車してる車とか、前横切る通行人とか、「軽蔑」での高良の鼻水の垂れ方なんかもそうですが、細かいところは気にせず続けて映画にしているところが好きです。
雰囲気的には「ガールフレンド」に似ている感じで、冒頭のカメラマンのシーンを観てると筋が同じなのかと思ってしまいましたが、後で監督のインタビューを読むと、街と関わりながら写真を撮っているカメラマンと同じ目線で撮りたいみたなこともあるようですね。自分が監督の映画が好きなのも、こういう学生映画目線で撮り続けられるところなのかもしれません。メジャーになっても、たまにインディーズにもどってきてこういうの撮れるってのがいいですね。そうした意識だけはあっても、行定監督みたいに、もう昔のようなものは撮れない人も多いので。
脇役が形式的に順に登場するのですが、根岸季衣とか、田口トモロヲ、柄本時生がいつも通りの役を見せてくれるので安心します。トモロヲさんは緑のジャージがよく似合いますね。小林ユウキチの被災地のシーンは震災後にシナリオを変えて付け加えたシーンで、ここだけ唐突に主役が代わりサイドストーリー的なものが全面に出てくるのですが、ストーリーの不整合とかは気にせず、被災地をひたすら歩くところをひたすら長回しで見せるのは、震災で感じたものを役者の演技を通してみせたいとう作り手のメッセージだと解釈するので、ありだと思いました。
それにしても、映画館は同年代の比率ほぼ9割、男性比率約95%な感じでした。。ファン層がはっきり出てましたね。。

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「生きているものはいないのか」

石井監督が舞台劇を映画化ということ自体どういうものかイメージできなかったんですが、台詞は多いのだけれど、いわゆる演劇的な台詞回しでなく、かといってこれまでの彼の映画とも違って、新しいチャレンジなのかなと思いました。同じようにヨーロッパ企画の演劇が原作の「サマータイムマシンブルース」みたいな、前半の学生たちのテンポのいい会話のやり取りは結構好きです。今は神戸芸術工科大学というところで教えてるようで、この映画もキャンパスを舞台に低予算で学生映画的なテイストの映画になっています。
先生みずから学生映画はこう撮れというお手本を見せてくれているような感じなんだと思います。
ただ、ちょっと音声はもう少しお金をかけてもいいのかなと思いました。キャストは有名なのは今が旬の染谷将太と、こういうインディー映画に好んで出る村上淳以外はこれといって知名度のある役者は出演しておらず、平等にオーディションで決めたということで、神戸芸術工科大学の学生もかなり重要な役で起用されています。なぜ演劇的な台詞主体の映画を撮ったかについては、この映画のサイトの監督のインタビューで語られています。
石井監督らしい映像へのこだわりは地下のトンネルのシーンなどに見ることができました。

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