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「星の旅人たち」

エミリオ・エステベスが監督している映画で、主人公の息子役として出演もしているのですが、しばらく見ないうちに、彼はすっかりマーチン・シーンに似てきましたね。スペインの世界遺産サンティアゴへの聖地巡礼の映画なので観光映画としてもおもしろい映画になっていますが、それよりも、自分にとってはエミリオがマーチンシーンを主役に使ってこういう父子のストーリーを撮るというところに興味があって、その点においては期待したとおりでした。自分にはサンティアゴは無理ですが、これ観て、四国にでもピルグリムに行きたくなりました。

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「おとなのけんか」

これ、こどものけんかで歯を折られた加害者と被害者の親がけんかするという映画なんですが、おもしろかったです。
元々舞台劇だったものを映画化した室内劇のため映像主体の普通の映画より会話が多く、内容も皮肉が多くウィットに富んでいるので、英語の勉強にいいと思います。
ジョディ・フォスターは顔のしわは増えたけど、歳をとっても基本あまり変わってないですね。

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「人生の特等席」

大多数の観客がこうなって欲しいという展開を常に裏切る後味の悪さとか、普通の監督では避けるような人種差別的な会話とかいつものイーストウッドらしさがないので、おかしいなと思いながらも人間歳をとると丸くなるのだろうとか思いながら観ていて、最後の変で、これは絶対おかしいと思ってエンドロールの監督の名前をみたところで、監督が違うということに気がつきました。
ただ、監督は違っても、撮影監督のトム・スターンや衣装デザイナーなどイーストウッド組の映画であることは確かなので、気がつかなかったのはそのせいですね。
逆に考えると、ストーリー展開はチープでも、自分自身で編集していたら絶対に観られない部分、他者が客観的に観たくて、自分では撮れない役者イーストウッドの演技が観られるというところは少なからずあった気がします。モーテルでのエイミー・アダムス演じる娘のとの会話のシーンにおける佇まいなどがすごくいいですし。(ただし、若い時の回想シーンに、「ダーティーハリー」の合成を使うのはちょっと悪ノリがすぎますが。。)
ただ、「人生の特等席」という邦題は、クライマックスのシーンにおける会話に出てくる「Cheap Seat」に対する「Best Seat」というところからきてるんですが、安直な解釈による一方的な邦題の付け方は傲慢だと思います。
いろいろ書きましたが、好きなアメリカ映画です。

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「ポテチ」

伊坂原作、中村義洋監督の新作です。音楽、主題歌は、また、斉藤和義、浜田岳が主演ということで、いつものあの感じですが、ただこのショートストーリーで時間も68分しかないので、他の映画にあるストーリーの破天荒さはなくて普通の人情ものなので、少し期待はずれでした。ただ、斉藤和義の歌はなんとなく、ゴールデンスランバーの時と同じでituneで買ってしまうのですよね。あと、常連の役者が使われてますが、大森南朋の使われ方がよいです。ゴールデンスランバーの時の長島敏行の謎の殺し屋みたいで。

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「アルゴ」

当時、大

使館事件のことはうっすらとしか記憶してないんだけど、あの70年代後半のカーター民主党政権時代

の色がよく出ていてよかったです。ベン・アフレックは先日DVDで観た「カンパニ

ーメン」とは一転し、今回は寡黙なスパイの役ですが、台詞が少なくて

難しい役を監督までしながらうまく演じてたと思います。ハンドカ

メラの映像で、自分が実際異国でデモの群衆に取り囲まれているよ

うでハラハラします。

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「アザーガイズ ー俺たち踊るハイパー刑事!」

ジム・キャリーのテンションには、どうしてもついていけないのけど、「俺たち」シリーズ(監督は違うんですが日本の邦題で勝手に「俺たち」を付けているだけですが。。)や「マーシャル博士の恐竜ランド」などのウィル・フェレルのコメディは適度のパロディと子ども受けもする体をはったしょうもないギャグと下ネタが、ドリフ世代にの私にも肌に合うというか、大好きです。いろいろ調べてみると、彼は自分と同じ歳なんですね。マーク・ウォルバーグもかなりいい味だしてます。トヨタのプリウスがしつこくネタにされてるのも笑えます。

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「96時間」

リュック・ベッソン製作でリーアム・ニーソン主演のこの映画、噂ではおもしろいと聞いてましたが、ほんとにおもしろかったです。どういうおもしろかといういうと、ある種、ターミネーターとか昔のシュワルツネッガー映画に近い、とにかくとことんやって、ちょっとやりすぎてしまい、その突破力とスピード感が笑いになってしまうという感じです。ストーリーは、ただ、単に、娘を取り戻したい父が暴走するというだけの話なんですけど。

この映画、続編が出るということで、次はおそらく確信犯でさらにパワーアップでゴリ押しでしょうか。期待します。

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「カンパニー・メン」

DVDのトレーターでふと見つけたこの映画、ベン・アフレック主演の中高年のリストラに関する話なんだけど、意外によかったです。話の展開は普通で先が読めてしまうんですけど、脚本の細部と演技がいいので最後まで見られます。特に最後のほうのケビン・コスナーとのシーンがよかった。金融危機以降のアメリカンドリームというのかなんなのか。仕事に疲れた人におすすめ。

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「危険なメソッド」

クローネンバーグ監督でユングとフロイトの実話に基づいた舞台劇を映画化、前作同様ヴィゴ・モーテンセンとヴァンサン・カッセルが出演ということで自分的には今年一番の期待作だったんだけれど、暴走するヴィゴの狂気とか、いつものぐにょーんとした特撮とかは一切なかったです。ただ監督特有の変態性を排して映画の文法に忠実にシンプルに撮っているので、いつもは個性に隠されている彼の映画特有のかなしみのようなものがよく出た人間ドラマでした。あと、この役ができるキーラ・ナイトレイはすごいと思います。最初の辺りの演技はかなりきてましたね。
プロデューサはジェレミー・トーマスですね。まあ、彼らしい企画というか。

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「ゴーストライター」

これ、おもしろかったです。映画館で観なかったのが悔やまれます。
ポランスキーの映画ではヨーロッパを舞台にしたハリソン・フォード主演の「フランティック」が一番好きなんだけど、それに似た感じの巻き込まれ型のサスペンスです。主演のユアン・マクレガーは久しぶりにみましたが、こういう役をやらせると意外にいいことを発見しました。

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「僕達急行 - A列車で行こう」

森田監督の遺作です。
森田監督といえば、過剰演出で昔はその間がいろいろチヤホヤされていたけど晩年はそのうちわノリのあざとさが受けなくなって過去の人みたいにしか扱われていなかったですが、この映画はその過剰な内輪ノリ演出はそのままではあるものの、開き直ったかのような感じで、ギャグは効果音付きでわざとらしさが全開、普通にわかりやすく、おそらく監督自身の趣味でもあると思われる鉄道の趣味の世界に入り込んでしまっていて、おもしろかったです。笹野高史とか松坂慶子ら三木監督的な脇役のキャストもよかったかもしれません。

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「アーティスト」

アカデミー賞関連で話題をさらったこの映画、最近になってDVDで観ました。
最初のほうは、サイレントってこんなに観るの疲れるのかという感じで、モノクロ、サイレントという奇をてらった趣向だけで1時間半もたせるのかと思いましたが、構図とかも忠実に当時の様式を再現しようとしているのが見えて、その中でも表現に自己主張が見られるので最後まで見られました。最後のダンスがうまいのと、息きらしてるとこなんかいいと思いました。

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「レイチェルの結婚」

この前の「パッセンジャー」があんな映画だったので、違うものを観てやろうと思い観たのが、この「レイチェルの結婚」です。アン・ハサウェイ今度は薬物依存症の役でした。監督はジョナサン・デミですが、自分が思っていた彼の映画とはまったく違った感じの、ある種ロバート・アルトマン的な家族劇で、神経症の女性、家族の崩壊と再生っていうところではジョン・カサヴェテスの「こわれゆく女」を思わせるようなところもあって、(というか絶対意識してるはず)意外によかったです。あと、デブラ・ウィンガーは細々と女優業に復帰してたのですね。(引退後、ロザンナ・アークエットに探されてたりしてましたけど。。)

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「ハラがコレなんで」

私には、「川の底からこんにちは」がぜんぜんダメで、この前みた「あぜ道のダンディ」もキャストに救われているもののイマイチな感じだったので、あまり期待してなかったんだけど、これはそこそこおもしろかった。

とにかくこの石井監督、原作なしで自分で書いたオリジナル脚本でいくという今時珍しい人として理解し、尊重してはいるものの、ちょっとニヒルな青臭い思想性が見え隠れするところと、昔の森田芳光の映画みたいに「わかる人にはわかる」的な「ニュアンス」で笑わせようとする感じが見えるところがちょっと時代遅れな感じで嫌だったのですが、もともと演技がダメな満島ひかりだとダメな台詞も、天性のぶっきらぼう系コメディエンヌの仲里依紗の「粋だね」と「オウケィ」のツーフレーズのゴリ押しで、その思想性が隠れていたところがよかったのかもしれません。

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「ロンドン・ブルバード」

これ、ロンドンが舞台のクライムサスペンスなんですけど、同じようなコックニー訛り、えげつない暴力シーンのあるガイ・リッチーの映画と比べると笑いとか遊び心がなくてひたすらカッコ付けてる分、観てて辛かったです。ただ、この前劇場でみた「Drive」と同様に「スタイリッシュ」とか言われて一部の人には評価されるのでしょうね。

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「キャプテン・アメリカ」

キャプテンアメリカは1941年、対ナチスの国威発揚的なものと

して始まったということを観た今知ったんですが、(これって日本

で言うと「のらくろ」にあたるのか?)なんでこんな古くさいもの

がかっこいいと思うのか次男がかなり気に入り、このアメリカの「

国威発揚」にのせられたらしく、アメリカのファンになったようで

す。子どもは純粋で思想とかがすっと入ってくるので

ちゃんとしたインプットを与えないと怖いですね。

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「ヒューゴの不思議な発明」

この映画、スコセッシ監督の映画というだけで、実は、何の映画かよく知らずに観たんですけど、映画の創世記をベースにしたファンタジーです。子どもに夢の映画史を教えるにはよいかもしれません。

実際、うちのこどもたちは喜んでみてました。コッポラにしろ、スコセッシにしろ、巨匠もある程度商業的に成功をおさめて余生を生きるようになると、自分のルーツを映画にしたり、童心に戻ってこんな映画作ったりするんですかね。
ジュード・ロウがパパ役で出てます。個人的に気にしてるエミリー・モーティマーとかあの「キックアス」(この映画に子どもが出るのはどうなのという)でニコラス・ケイジと共演してるクロエ・グレース・モレッツが出てます。

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NHKスペシャルの草間彌生特集

草間彌生さんが心を病んでるというのは以前何かで読んで知っていたのですが、自分の作品が2億で売れる人が、ずっと普通の病院の普通の病室に入院してて、あの狭い病室にホームセンターで買えるような普通の衣装ケースおいて普通に生活してるってところにいたく感動しました。
彼女のように精神疾患を患っている方が、ニューヨークでも、ロンドンでも普通に尊敬され受け入れられる世の中っていいと思いました。
彼女自身によると、彼女が自分の芸術で伝えていきたいことは、夏目漱石とか宮沢賢治が文学で表現しようとした「愛」と同じ次元のものらしいです。

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「バトルシップ」

すぐ前にみた「マイティソー」で浅野忠信もついにハリウッド進出か、と思ってたら、偶然、その後に観た「バトルシップ」にも主演していて驚きました。

しかも、今回は、マイティソーでのへなちょこぶりとは打って変って、ほぼ準主役的な日本人艦長役でかなり目立ってました。
ストーリー自体は「ロサンゼルス決戦」などと似た、侵略してくる宇宙人を地球人が迎え撃つという話で、「エイリアン対カーボーイ」が西部劇ミーツ宇宙人だったように、この映画は、第二次大戦戦艦ものミーツ宇宙人(&米国的青春ラブコメ)+みたいな、かなり適当な映画だったけど、ネタとしてはおもしろかったです。

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「マイティソー」

「アヴェンジャーズ」の流れで、急遽レンタル登録した「マイティーソ

ー」が届いたので観ました。この映画、コミック原作の特撮ヒーローものなのに、ナタリー・ポートマンが出てるというのは

認識してたものの、監督はケネス・ブラナーで、しか

も、なんだか知らないけど、ソーの取り巻き役で浅野忠信が出演し

てます。忠信自体はちょっとへなちょこな役ですが、ストーリー自体は漫画的に壮大な感じのため、そのせいか私にはちょっとついていけませんでした。

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「ライク・サムワン・イン・ラブ」

イランのキアロスタミ監督の新作です。
映画を観た後で読んだ情報では、とにかく日本で日本人を使って映画撮りたくて出資者を公募して作った映画らしいです。
日本で日本人を使ってといえば、過去にもフランスのジャンピエールリモザンの「TOKYO EYES」とか、スペインのイザベルコイシュの「NIGHT TOKYO DAY」とかありましたが、ロケ地の選択とか外国人目線なので日本人からすると不自然な映画でしたけど(まあ、そういう国辱的映像はそれで映画としてはおもしろいんですが。)、この映画は彼独特の間などキアロスタミの映画と言われるとうなずけるし、かつ、日本映画としてもそれほど不自然ではないという不思議な映画でした。ただ、脚本の細部には、これは普通日本ではないよねというシュールな部分は多少ありましたけど。
加瀬亮が怖かったです。「永遠の僕たち」に続いて今年は外国人監督ですね。彼にはどんどん世界に出て行って欲しいけど。
この主役の女の子はシンケンピンクの人なのですね。(子どもが大きくなったので戦隊ものは観てないので知りませんでしたが。)不自然といえば、高田みづえの「硝子坂」がタクシーでかかるんだけど、そんなラジオ今時ないでしょ!でも、おばあちゃんからの留守電聞いた後であの懐メロがかかるってところがなんかよかった。

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「ピザボーイ」

「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグを演じた、ジェシーアイゼンバーグ主演のB級コメディです。同じく彼が主演のB級映画で、ウディハレルソンと共演している「ゾンビランド」っていうホラーコメディの小品が最高におもしろかったのでかなり期待してみたんだけど、今ひとつ盛り上がりに欠けました。アイゼンバーグの使い方は正しいんだけど、ストーリーのつまらなさがそれに付いて行けてない感じです。まあ、でも「ソーシャルネットワーク」のヒットのおかげで、こういう映画がお蔵入りにならないというのはいいことだと思いますが。

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「ヴァージニア」

夏休み中に見た映画なんですが、関東はヒューマントラストシネマの小さい小屋だけで二週間限定、しかも一日三回の上映なんてと思いましたが、確かに、エンドロールのクレジット見ると、本当に2011年でアメリカンゾーエートロープスタジオ!「ゴッドファーザー」の監督なのに、商業的にはやりたいことはやりきったので、もうヒットしないことをわかって好きなことをやってる感じがすごくよいですコッポラさん。雰囲気的には、チャールズ・ロートンの「狩人の夜」とか、マリアンヌ・フェイスフル主演でマンディアルグの小説「オートバイ」を映画化したやつとか、昔みたいろんな映画のシーンを思い出せるようにスタイルが60年代以前の懐かしい感じなんだけど、ファンタジーシーンは手作り感のあるCGを駆使した、ジュネ&キャロの映画みたいにゴシックな感じです。ストーリーも節操ないけど、おもしろかった。

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「アフロ田中」

この映画、予告編からハズレははいと確信してましたが、松田翔太が怪演ですね。龍平と違って相変らずインデ

ィーズ系は、映画に恵まれない感じですが、あの意識過剰な二枚目の目線を逆手にとって、あの目力をこの手のナンセンスコメディーに使った監督のセンスは評価できます。映画における彼の利用価値を再発見させられた感じです。という意味で、コメディだったら翔太に限っては内輪ノリOKです。これからもがんばってください。

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「キツツキと雨」

「南極料理人」の監督の映画、映画撮影についての映画ですね。南極料理人のあの雰囲気そのまんまで、そこに役所広司がぴったりはまっています。ストーリーに起伏がないという以前に、何か起きそうだけど何も起きない日本映画らしい日本映画です。小栗旬はあまり監督には見えなかったですが、台詞で説明しない系の映画でいい演技してました。

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「苦役列車」

山下監督、高良主演というだけで内容をよく知らずに観たんですが、原作者の西村氏は私と同じ学年で、この原作となっている私小説は、19歳ー23歳の頃(1986頃)の話ということで、田舎から出てきた友だちがサブカルを語り出す台詞に出てくる固有名詞で昔を思い出しました。森山未來は、ほんとのダメ人間にしかみえないくらいに演技が凄いんですが、ただ、原作者をベースにしているので本当は無頼な小説家的な知性みたいなものが少しは役から感じられてもいいような気もしました。

映画の役はそこがまったく感じられずモテキが20年前にタイムスリップしたように、さらに風俗好きでうらぶれた感じだけがよく出てました。高良が20年前の私の大学生時代にはやったような髪型とファッションで登場するところを見られるだけでファンは泣けると思います。

後で、原作を読んでからわかったんですが、文学賞取った原作の映画は、台詞が原作とほぼ正確に一致していますね、原作の縛りが強いのだろうなと思う反面、主人公が恋する女の子は実は原作にはなくて、しかもAKBの人気アイドル、前田敦子だったんですね。だから、海とか雨でずぶ濡れにさせたりとか微妙なシーンが多かったのかと納得。そんなことしても狙ってる客はこないし、逆に映画そのもののファンは離れてくと思うんだけどね。中途半端に、二兎を追うものは一兎も得ず。

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「ダークナイトライジング」

前作「ダークナイト」はジョーカー主演の映画でしたが、この映画ではバットマンがが主役でタイトルはダークナイトでも、「バットマンビギンズ」の続編という感じです。原作のキャラクター設定に依存しているため、サイコなジョーカーとは違って、あくまでもコミック的な悪役で異常怖さはなく、設定も原作に忠実で展開が少々現実離れしているためノーラン的な細部のニヒルな描写かみあってない感じですが、アクションとしては前作をさらに進化させた形でバットマン3部作の集大成という感じです。あと、何と言ってもこの3作目でいいのは、アン・ハサウェイのキャットウーマンと、ノーラン映画の常連、ジョセフ・ゴードン・レービット演じる刑事で、特にキャットウーマンはクールで、この2人の登場する4作目を期待したい感じです。

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